この住宅は浜松市街にほど近い住宅地にあります。 新幹道路の交差点に面しており、信号待ちの車から目立つところに位置しています。 また北が通常の北西側へ45度振れていることもこの敷地の大きな特性です。 また南東には河川があり南方は見通しがよく、南西から北西にかけて隣家が並んでいました。 以上の条件から次のような思いでこの住宅の計画しました。 この特徴を生かして壁と壁の隙間から人が出入りする不思議感もあるようなアプローチをつくりながらも道路からは壁で閉ざされた印象的なファザードができないかと考えました。 信号待ちの車からその家を眺めていると住人が変な隙間から出てくる、隙間を突かれるような楽しいものができないかと考えました。 そして2階のこの隙間から川を望む空間はグラフィックを趣味とされるご主人の書斎としました。 隙間から見る風景は洞穴から外の景色を覗くような不思議な空間です。 創作的な思考にはうってつけの居心地のよい空間となりました。 書斎には扉を設けていません。 創作活動には意欲的な父親の姿を子供が自然に感じられることが必要だと考えたからです。 ミニマルなこの住宅には広さを感じられる仕掛けも必要でした。ひとつは吹抜けです。 南からの光を採り入れる吹抜けキッチンと子供をつなぐ位置にあり、南のデッキ近くから2階の書斎までの8mの距離を視線が通り抜けることも計算しました。 そして、もうひとつはテーブル一体のキッチンです。床を一段下げダイニングテーブルと一体の人造大理石とすることで、テーブルであり、キッチンである、狭くとも広くスッキリ使えるものを提案しました。 またキッチンは、開けた河川の方を望む位置としました。 これで家族全員に心地よい居場所ができました。 2階にはもうひとつの空間があります。子供部屋と寝室をつなぐ開放的空間です。 使い方は特に決めていません。むしろこれからフレキシブルに決めていただければと思っています。