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CROSS OVER

設 計|川本敦史 + 川本まゆみ

施 工|ASJ 浜松スタジオ[株式会社マブチ工業]

構 造|木造在来工法 地上1階

撮 影|安田誠

袋井市の幹線道路にほど近い場所。
比較的辺りは静かであり、田畑が広がっていたであろう面影を残していた。

この周辺地域の住宅の間取りを考えると、通し間の和室があり、その前に縁側があって、キッチンや居間はわりと奥にある。寄り合いといった地域の集まりや法事などを自宅で行うため、家族以外の他者を大切にした間取りとなっている。

しかし、住宅は、時代とともに住み手を満足させるためだけの建築に移行してきた。そのため、社会や地域との関わりを意識することに薄れる傾向にあり、そうした人間の心情が建築形態に表現される場合がある。コートハウスなどはその一例であり、周囲から住まいを閉ざすことによって個の住環境を内面で完結する手法である。

決して否定するものではないが、その土地にあるべき姿としての価値を見出すために、閉ざすことによる解決ではなく、開きながら閉ざすこともできる新たな手法がここでは必要ではないかと考えた。

まず、周囲の住環境に対して45°傾けた形で、空間グリッドを構成する。
これは、閉ざすと同時に開くという、相反する行為に対し等価な関係性をつくりだすためである。つまり、周囲に対して全て並行に対応するならば、それは閉ざすという一方の効果のみが有効ではあるが、開くという効果に対しては矛盾する。そのため、周囲に対してすべて45°傾けることにより、閉ざしながら開くという関係性をつくり出す可能性を見出した。

間取りはLDK を空間の中央に配置し、各々の空間がそれを取り巻いている。道路側には縁側のような中間領域をつくることで、適度なプライバシーを確保し、ほどよい開放感に対し有機的な場となって、地域や他者との関係性を緩やかにつなぎ合せている。

住宅が個人の所有物であり、合意形成が図りやすい建築であるからこそ、家族以外の他者がいることを前提とした寛容的な住まいを考えていく必要性を感じている。

(川本敦史 + 川本まゆみ)

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