A-COLLECTION

Devetashka 中庭の夕景 Devetashka 南西より見る全景 Devetashka 高い壁に包まれる配置設計 Devetashka リビング
Devetashka 玄関ホールと 2ndL を見る Devetashka ベッドルーム前のテラスから庭を見る夜景 Devetashka キッチン Devetashka 和室
Devetashka

設 計|筒井紀博

施 工|ASJ 東京西多摩スタジオ[有限会社ユー・エス・イー]

構 造|混構造(RC+木造在来工法) 地上2階

撮 影|木田勝久/FOTOTECA

外界から家族を守る堅固な殻に覆われることによる安堵感。その中でいかに充実した時を過ごし、豊かな経験が生まれるか、そこに現代の都市型住宅の解があるだろう。

視覚だけに捉われることなく人のもつ五感を活かす仕掛けを施し、その5つのレイヤーの錯綜により豊かな経験を誘発し、記憶を積層させる。堅固な殻の中から生まれる記憶の積層、そこに家族の歴史を誕生させる試みである。

東京のまだ緑が多く残る武蔵野のエリア。この閑静な住宅街の一角に敷地は位置する。周囲は住宅が建ち並び、近くには地元で古くから愛されている一級河川が流れる。50坪ほどの敷地に2世帯住宅の計画。

前面道路からのファサード面は開口の少ない大きな壁、そこに設けられた扉をくぐると内包された緑豊かな庭が広がる。春夏秋冬、日の出から日の入りまで、さまざまな光と影がこの庭で演出され、自然と人に時の流れや、季節の移ろいを意識させる。

1階は親世帯の住居スペースと水回り。

2階は子世帯の広いリビングと寝室。

家族が多くの時間を過ごす場所は庭に面し、趣向を凝らした個性豊かな各部屋から屋外空間を楽しむことができる。さらに家族がお互いの気配を面と向き合うことなく意識できるプランとしている。

この住まいは同居型の2世帯住宅であり、生活の中心は2階にある子世帯のリビング。庭に面して大開口が設けられ、プライバシーを確保しながらも内外一体の空間を演出している。お菓子作りが好きな祖母。家族みんなで料理を楽しむことができる広いキッチン。庭が織りなす時の流れを楽しみ、家族の笑い声が木霊する。人と触れ合い、匂いに誘われ料理を楽しむ。季節によっては庭の花が室内に甘い香りをもたらすこともあるだろう。

五感を刺激しながら家族の歴史が少しずつ刻まれてゆく……時の経過と共に家族と成長し、より豊かな魅力ある空間へ。この住まいははじめの一歩を踏み出したばかり。これからも温かく成長を見守っていきたいと思う。

(筒井紀博)

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