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松屋町の住宅

設 計|荒谷省午

施 工|ASJ 枚方スタジオ[株式会社IFA住宅設計室]

構 造|木造在来工法 地上2階

撮 影|小川重雄

敷地は大阪東北部の平坦なエリアであり、住宅が密集した地域にある。クライアントは幼少期からここに住んでおり、幾多の増改築を経ての建て替え計画となった。

ずっとここに住んできたということは、場所の特性について知り尽くしているわけで、設計にあたってはクライアントの意見を充分に傾聴した。その上で、この場所に対する新たな発見をしてもらえるような住宅を設計できればと考えた。

初めてその場所を訪れたとき、周囲との関係に驚かされた。隣地との境界には、塀など設けるほどの余裕もなく、隣家の外壁が迫ってきているような状態で、その隙間は人がやっと通れるほどの幅しかない。さらには所々、壁に設けられたエアコンの室外機や給湯器などがそこを塞ぐように張り出しているといった具合だった。この環境のせいであろう、クライアントは採光不足や湿気に悩まされて長年ここで暮らしてきたのだ。

建物を周囲からセットバックさせてしまえば、採光を確保できるのだけれど、この地域になにか異質なものを持ち込むようで、最適な解決策には思えなかった。この密集感を払拭することなく、あえて継承していく方法を探りたいと思ったのである。/p>

そこで外壁面は、かつてここにあった住宅の輪郭をトレースするように、できる限り隣家に近づけながら、三方それぞれに小さな庭を設けることにした。その再現された隙間を通り抜けた風は、凹状に設けられた小さな庭を通って光とともに内部へもたらされる。

また、残りの一方である道路側にも同様に空地を設け、そこをアプローチとして、近隣の2軒分の間口を持つこの住宅を分断することで、ファサードを周囲のスケールに合わせている。

4つの凹みによって分断された内部空間はそれぞれに機能が与えられる。それらを共有する空間として中央に主室を配し、その吹抜け上に設けられたエキスパンドメタルの床はレースのような効果で、4方向からの光を柔らかく取り込んでいる。

この家もまた、この地での家族の生活を享受しながら、次の世代へと受け継がれていくことを願っている。

(荒谷省午)

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