家づくりでも、考え方は同じ。家づくりの内容を金融機関や投資家にキチンと説明できるようなPMを実施することで、本来なら担保設定できなければ実行されなかった融資を前倒しして実行できるようにしようというわけです。
エスクローそのものは、基本的には非常に単純な仕組みだと言えます。しかし、住宅ローンを利用した家づくりにいざ適用しようとすると、家づくりのあり方をかなり根本から問い直す必要が出てきます。
「第三者が評価できる家づくり」—つまり、発注者や建築家、施工業者といった家づくりの当事者だけでなく、金融機関や投資家などの第三者から見ても評価できる家づくりを行うことが求められるのです。
第三者から見ても評価できる家づくりには、もうひとつ、大きなメリットがあります。将来、その家を売却することになった時も、第三者から資産評価が可能な家なるということです。現時点では、確かに中古住宅の資産価値は築年数だけで評価されている面がありますが、それは第三者から評価することができない家ばかりで、築年数でしか評価しようがなかったとも言えます。
もし、家づくりの段階から第三者が評価できるデータが残っていて、さらに住み始めてからも維持管理の履歴が残っているような家が増えてくれば、中古住宅の資産価値も正しく評価される時代が来るのではないかと思うのです。
エスクローを家づくりに適用するために、必要な条件を整理すると、次の3つがあげられるでしょう。
① 家が完成したときの品質や性能を、設計段階で客観的に評価することができる設計図面が用意されていること
② 万一施工業者が倒産するなど工事が続けられなくなった場合に、工事完成保証ができる仕組みが用意されていること。
③ 資金の流れや施工プロセスの透明性が確保されたPMや、第三者機関のチェックなど設計図面に書き込まれた性能・品質を実現できる仕組みが用意されていること。